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2019年現在
様々な業種、特にIT業界では人手不足が解消されるどころか、相対的な需要と裏腹に全く人手が足りていません。
世間では、AI技術の台頭により、より着目を浴びた当業界。
それもプログラマーだけでなく、SEやインフラエンジニア といった職にも就きたいと志望する若い方が増えてきて、大学受験生からは
「医学部よりも将来性があり、手に職をつけられる安定した仕事」
といった認識をもたれるケースも少なくなくなってきたようです。
さて、ここで今、「若い方」と書きましたが
「じゃあ、若者ともおっさんおばさんとも呼ばれづらい微妙な立場の年齢の人間がこの業界に未経験で入ることはできないのかーー!」(3X歳)
という声も聞こえてきそうです。
結論から言うと
「入社出来る可能性は十分にあるが、ある程度の計画を持って行動することが必要」
となります。
そこで今回は、30代を中心に、未経験でIT業界の入社、特にプログラマーになりたいという方に、色々なヒントを教えることが出来ればと思い、記事を書きました。
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20代の若者はもちろん、40代以降の方にも応用がきく可能性がありますので、是非参考にしてみてください。
1.そこそこのスペックのノートPCを買う
一番はじめに行うのはまず簡単なプログラミング。。。ではなく、質の良いノートPCを買いましょう。
最初は、「Progateやドットインストールの無料版で『Hello World』から」と申し上げたいところですが、まず、これから自分の利用する勉強用&作業用PCを調べ、プログラミング作業を円滑に行うのに十分なスペックや、ハードウェアの超基礎的な部分を調査し、購入を決める方が先です。
詳細は後述しますが、プログラマーという職業は、ただ画面上で動くコードを書いていればいいというわけではありません。
その仕事内容は、ソフトウェアの部分はもちろんのこと、OSやバージョンの仕様から、コマンド、管理、事務的作業まで幅広く求められます。
あなたが普段お使いになっているPCは、もしかしたらかなりレガシー、とまでいかずとも、プログラミング及びそれに準ずる作業を十分に行うにはスペックが足りない、または適していない可能性があります。
何も20万円以上する新品のPCを買えと申し上げるわけではありません(もちろんそれが理想です)。概ね以下に該当するくらいのもので結構です。
・メモリ → 4GB以上
・CPUクロック数 → 2.40GHz以上
・ストレージ → 256GB。当然それより多いに越したことなし
・64ビットオペレーティングシステム
・新品、中古は問わない
・OSは問わない(Windows、MacBookどちらも可。ただし中古Macの場合バージョンに注意)
・サイズ → 持ち運びに適しているかどうか
ひとまずこんなところです。
最近では、よくAmazonや中古PC屋さんなどでも、新品同様のスペック&使用感のものが結構あります。私も最初は、上記とほぼ同様のスペックのDynabookの中古のPCを約3万円で買い、現在もサブとして用いています。
写真家にとって最も大切な商売道具がカメラであるのと同じように、PCはプログラマーにとって一番大切なツールです。ここでつまづいたり、よくわからないという方は、何としても自分に合ったPCを見つけるまで、誰かに相談したりググったりしてください。後々、ハードウェアの知識としても、その時の経験が生きてきます。
そこまで終えたら、ソフトウェアの知識を学んだり、今後自分のやりたい言語を探したり、後述するポートフォリオを作ったりしましょう。
2.IT業界や転職志望先の企業のことを知る
この業界や職種に対する憧れや夢を壊すようで申し訳ないのですが、IT業界は、客先常駐の現場仕事がとても多く、それも多重派遣や偽装請負など、違法行為を平気の平左で行なっている会社が非常に多いです。
私が普段から提唱しているSESの闇深さなどは、ここでまた改めていうまでもないのですが、中には待遇や人間関係は悪くなくとも、自分のやりたい仕事にありつけないままズルズルと働き続けている、なんてこともあります。
「一つのところで腰を据えて仕事をしたいのに現場を転々とさせられている……」
「プログラマーとは名ばかりで、Web会社でサイトの管理ばかり任されている……」
こんな声はしょっちゅう聞きます。
もし、あなたがどうしてもIT業界に入りたいのであれば、まずプログラミングの勉強や実務に入る前に
最低でも自分のやりたいことや目指す方向を固めるのはもちろんのこと、その入ろうとしている会社が自社開発なのか客先メインなのか、開発かインフラどちらに力をいれているのか、など、事前にしっかり情報収拾をする必要があります。
その上で、行動を起こしたり、勉強する方向を目指したりする方が、後悔なく歩を進めることが出来ると言えるでしょう。
未経験で20代オーバーですと、多少の妥協は仕方がないかもしれませんが、自分の譲れないところをしっかり棚卸しして、就職活動をすることが大切です。
3.プロに相談する
ここで言うプロとは、そのままの意味で、IT実務経験者または転職エージェントなどを指すのですが
友人や知り合いにプログラマーとしてやっている方がいるのであれば、まずその方に自分の知らないことを色々聞けるとベストです。
その上で、転職エージェントや各種転職サービスなどを用いて、履歴書の添削や業界の現状などを詳しく相談する、という形を取り、転職サイトなどで応募すれば、悔いがなくなりやすくなると思います。
ここで気をつけたいのが、名だたる転職エージェントに無料相談に行ったとしても、担当者によって当たり外れがあるということです。
それだけならまだしも、中には早く転職志望者を内定させたいがために、あなたの意見を全く無視した企業や案件を紹介するというパターンもあり得ます。
ともあれ、一番迎えてはならないのは、誰かに相談・仕事を紹介してもらったはいいが、後先考えずに自分の合わないところに入社してしまった、という結末です。
周りの意見に耳を傾けることは非常に大切ですが、中にはあなたにとってどうでもいいような意見、最悪その人の利益のために自分が理不尽な扱いをされてしまうこともあるのです。
今売り手市場のIT業界への転職と言っても、当然他業種の転職の場合と同じく
・自分のやりたいこと
・自分の客観的な市場価値
・応募書類の精度
上記3つをしっかり固めたら、あとは自分が入りたいと思った会社を見つけ次第、どんどん応募することが、最適な転職の近道となるでしょう。
4.ポートフォリオを作る
なかなかないのですが、未経験可の良求人を運よく見つけて、応募のチャンスが巡ってきたとしても、実際は若い人や経験者を雇う、ということが多いのが現状です。
そこで、未経験で、且つ少しでも自分に合った会社に入りたいと思う場合、用意しておきたいのがポートフォリオ(制作物)の提出です。
もちろんただローカルでWebサイトを作って勉強して終わり、にするのではなく
自分でサーバーやドメインを調達してアップしてURLを履歴書に書くも良し、GitHubに登録して成果物をアピールするも良しです。
この時点で、自分が勉強していることや最低限のスキルを人事にアピールできるだけでなく、実物を作ることにより自分の将来就きたい作業内容や仕事の具体性を上げる、というタスクも行うことができます。
例を挙げると
ゲームプログラミングを行いたいならC♯で簡単なゲームを作ったり、Web業界に入りたいならPHPやRubyでCRUD機能のついた掲示板を作成したり、AI関連のプロジェクトに少しでもコミットしたいならPythonの勉強や機械学習のライブラリを扱えるようにし、その証明をする
などです。
この時点で、内定を得やすくなるだけでなく、自分のスキルアップにも繋がるので、必ずと言っていいほど行なっておくべき項目と言えます。
また、この他に、「資格を取得する」「学校に通う」などがありますが、20代以前ならまだしも30代以降でこれらの方法はおすすめできません。
なぜなら、受験に制限がない資格や学歴の大半は、本来の転職市場なら中堅に該当する年齢であろう30代にとって費用対効果の薄いものであり
ましてやIT業界では「国家資格を取らなければPCやプログラミングが実務でできない」ということはないからです。
ITの資格を取得したい、または必要に迫られた際でも、入社してからで十分です。それより、少しでも手を動かしてプログラミングやコンピューターに対する知識や技術を増やしたり、作品を作ってアピールする方がよほど、就活だけでなく自分自身の向上と言う意味でも効果があります。
5.プログラミング以外の勉強もおろそかにしない
上述したように、プログラマーの仕事は、ただGUI対応のテキストエディタでソースコードを書いているだけ、ではありません。
ヒューマンスキルが高い、ビジネスマナーがしっかり出来る人が好まれることはもちろんですし、スキル面でも往往にしてあらゆる分野のものが求められます。
例えば、インフラエンジニアを目指していなくても、コマンドラインにおける最低限のコマンドやその習得は必要であるケースは非常に多いです。チーム開発などに至っては、GitやDockerなど、必要なツールを使って、真っ黒の画面上で、英語で書かれたコマンドを正確且つスラスラ打てるようにならなければならない、などということは日常茶飯事です。
AIプロジェクトなら、Pythonのライブラリや数学の理論、オープンソースの使い方など必須となる知識は山ほどありますし、Webならフルスクラッチ(既存のものを一切流用せずにまったく新規に開発すること)でコードをかくだけでなく、フレームワークの技術を磨くなど、ありとあらゆる知識を吸収する意志が求められます。
その他、英語で書かれたドキュメントを読めるようにする、コミュニケーションを円滑にするよう努めるなど、IT業界は一生をかけても全てを習得しきれないほどのスキルが求められます。
そのため、これは個人的な意見ですが、勉強がとてつもなく嫌いで絶対やりたくない、という方はIT業界に向いていません。
たとえ上流工程や責任のあるポジションやプロジェクトに縁がなくても、この業界に入れば必ず学習しなければならないことが数限りなく出てきます(かりに、PCのモニターを監視するだけだったり、限りなく事務的作業に近い業務内容だったとしても)。
その時になって苦労しないように、今のうちに、自分にどんな適性があるのか、そもそもプログラミングを続けられるのか
あらゆる面において自分自身を見極めておくことが、今後の人生を左右すると言っても過言ではありません。
6.最後に
自分もまだ2年目のペーペーのくせに、こんな記事を書いています。ええ、自他共に認めるうつけ者であることは理解しております。
それでも一つだけ、声を大にして言いたいことは
「プログラミングはとても楽しいし、少しでも興味を持ってこの道に入りたいと思った方がいるなら全力で応援したい!」
と言うことです。
言うまでもなく私もまだまだ修行中の身なので、当記事では、私のように30過ぎで、20代の大学生や第二新卒ほど若くない身でも
プログラミングを職にしたいならそれに向かって頑張ってほしいし、私もそんな方と一緒に頑張りたい、と常々思っており、今回書き上げました。
これを読んで、少しでも迷っていらっしゃる方の道しるべになれば、これほどの喜びはありません。