2017-01-01から1年間の記事一覧

若き政治家の熱いメッセージ【だから政治家になった】

<p> 本書は、元総理大臣の秘書を務めた後、27歳で神奈川県議会における県政史上最年少議員として当選した政治家による政策本である。</p> だから政治家になった。矛盾だらけの世の中で正論を叫ぶ 作者: 中谷一馬 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/01/25 メデ…

新しいムーブメントとは、他人や環境に惑わされないこと【あなたが世界のためにできるたったひとつのこと】

<p> 世界のためにできる、なんて出だしからして、なかなか一般人からは受け入れ難いタイトルではある。</p> あなたが世界のためにできる たったひとつのこと―<効果的な利他主義>のすすめ 作者: ピーター・シンガー,関美和 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2015/12…

天才的な日本語を、更に天才が面白い日本語に訳した本

<p> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%A4%A5%E0%A5%BA%A1%A6%A5%B8%A5%E7%A5%A4%A5%B9">ジェイムズ・ジョイス</a>の【<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A3%A5%CD%A5%AC%A5%F3%A5%BA%A1%A6%A5%A6%A5%A7%A5%A4%A5%AF">フィネガンズ・ウェイク</a>】を見事に訳した、</p>

【騎士団長殺し】かもしれないが多すぎるかもしれない【遷ろうメタファー編】

<p> </p> 前記事 jiru4690.hatenablog.com 「若くして伝説になることのメリットはほとんどありません。というか、私に言わせればそれは一種の悪夢でさえあります。いったんそうなってしまうと、長い余生を自らの伝説をなぞりながら生きていくしかないし、それくらい…

【騎士団長殺し】ぼくはごく普通の人生を送ってきたごく普通の人間です【顕れるイデア編】

<p> 読みました。</p> 騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 今回の主人公はかつて肖像画を専門としていた36歳の画家。 主人公は冒頭から、妻より…

思考法を纏めたビジネス書の秀作【降りてくる思考法】

<p> 【降りてくる〜〜】というタイトルだが、決して「何かスピリチュアルなものが降りてきた」とか、そういうことではないし、また、腰巻きに「ロジカル・シンキングはやめなさい!」と銘打っているが、論理的思考を軽視しろと言っているのでもない。<br /> 本書は、</p>…

約10年ぶりくらいに【夢をかなえるゾウ】を読み返してみたら

<p> 前回は取り乱してしまいましたm(_ _)m</p> さて、今回はこの数日の間に自分のことをいろいろ考える機会があったので、その話も混じえてしていこうと思います。 その際に取り上げるのは、この本。 夢をかなえるゾウ文庫版 作者: 水野敬也 出版社/メーカー: 飛鳥…

風邪で熱が酷く気分が最悪な時に敢えて自己啓発本を読んでみる

<p><span style="font-size: 150%;"> 注意!</span></p> 本記事は敢えて体調の悪い時の今の自分の心をいじめることによって、完全にネタのつもりで身体を張って書いています。面白半分で書かれた記事なので、真面目にこの本の内容を知りたかったり、嘘や演技であっても他人への誹謗中傷及び自暴自棄な書き…

予想通りに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

<p> 例えば<br /> 100円の「明治ミルクチョコレート」と<br /> 5円の「ごえんがあるよ!」の駄菓子チョコ。<br /> この2つの商品のうち、売り上げ、人気、知名度が高いのは、「明治ミルクチョコレート」の方だろう。<br /> しかし、この2つの商品をもしそれぞれ5円ずつ値下げしてみた</p>…

【深い穴に落ちてしまった】は、深く考えないで読む方が面白いと思う

<p> そう、普通に、「穴に落ちてしまった兄弟によるサバイバル&サイコサスペンス」モノとして見れば、泥水や虫を飲み食いしたりウジを湧かしたり、グロシーンやトチ狂った心理などが渦巻いて、なかなか気味の悪い思いが出来て楽しい。</p> 深い穴に落ちてしまった …

2つの時代が交錯する、正統派ファンタジーノベル【レムリアの女神】

<p> 文庫本でない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%F3%A5%BF%A5%B8%A1%BC%BE%AE%C0%E2">ファンタジー小説</a>を読むのは、実に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%F1%C5%C4%BE%CA%BC%A3">桝田省治</a>氏の【ハルカ 天空の</p>

【ジョン・グリーン】原点にして頂点のヤングアダルト【アラスカを追いかけて】

<p> 素晴らしい。素晴らしい青春小説です。本当に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E4%A5%F3%A5%B0%A5%A2%A5%C0%A5%EB%A5%C8">ヤングアダルト</a>の大傑作。私はこの一冊で一気に著者のファンになった。</p> アラスカを追いかけて (STAMP BOOKS) 作者: ジョン・グリーン,金原瑞人 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/01/20 メディア: 単行本…

【燃えるスカートの少女】夢うつつな小説【エイミー・ベンダー】

<p> 文字を追っているだけなのにはっきりとした情景が目の前に浮かぶ小説というものにたまに出くわすことがある。そして不思議なことに、その内容が不可解だったり混沌としているものに限って、自分自身の心を覗いているかのような錯覚を覚えつつも、スラスラ読</p>…

Amazonで稼ぎたい人や、中国輸出入で商売を考えている人にはうってつけの本【Amazon輸出入で3倍稼ぐ!  オリジナル商品を日・米・加で売る手法】

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【すべてがEになる】理系ミステリィ作家エッセイ【森博嗣】

<p> 本書は、【すべてがFになる】【<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%A4%A1%A6%A5%AF%A5%ED%A5%E9">スカイ・クロラ</a>】などで御馴染みの「理系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%B9%A5%C6%A5%EA%A5%A3">ミステリィ</a>」作家で有名な</p>

【三浦綾子】人生の意義を問う小説【塩狩峠】

<blockquote> 一粒の麦、 地に落ちて死なずば、 唯一つにして在らん、 もし死なば、 多くの果を結ぶべし(新約聖書 ヨハネ伝 第12章 24節) 小説の人物、特に主人公が、読者に対して感情移入させてくれる役割を果たすのであれば、これほどまでに素晴らしい思いにさせてく</blockquote>…

原作【フランダースの犬】を読んで

<p> 【<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%E9%A5%F3%A5%C0%A1%BC%A5%B9%A4%CE%B8%A4">フランダースの犬</a>】はイギリスの作家ウィーダによって書かれた少年文学であり、その原作はアニメ版よりも更に救いがない。</p> フランダースの犬 (新潮文庫) 作者: ウィーダ,村岡花子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1954/04/17 メディア: 文庫 購入: 2人 …

何となく読み返してみる筒井康隆作品【おれに関する噂】

<p> 何故か最近になって近所の本屋で平積みになっていた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%FB%B0%E6%B9%AF%CE%B4">筒井康隆</a>の【おれに関する噂】。<br /> 私がこの本を読んだのは高校生の頃でもう15年前にもなる。自分の本棚にもこの本があったので、ちょっとパラパラめくってみる。</p> おれに関する噂(新潮文庫) 作者: 筒井…

コピーライターの大御所が示す“命名”【ネーミング全史】

<p> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%BB%CB%DC%CC%DA%A5%D2%A5%EB%A5%BA">六本木ヒルズ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/TSUBAKI">TSUBAKI</a>、PARCO、からまん棒、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Suica">Suica</a>、</p>

九井諒子さんの初期の短編集

<p> 現在は、漫画「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%B8%A5%E7%A5%F3%C8%D3">ダンジョン飯</a>」で人気を博す<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E5%B0%E6%CE%CA%BB%D2">九井諒子</a>さん。</p> この漫画が出てきた時の感想を率直に言うと「この人本当ドラゴンとかファンタジーが好きなんだな……」 だった。 2013年頃に、私がたまたま本屋で手に取った「ひきだしに…

【絶望名人カフカ】から逆説的に人生をポジティブシンキングしてみる

<p> </p> 絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫) 作者: フランツカフカ,Franz Kafka,頭木弘樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/10/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る 1.将来に絶望した! 2.世の中に絶望した! 3.自分の身体に絶望した…

寓話が見せる様々な解釈【かもめのジョナサン】

<p> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E2%A4%E1%A4%CE%A5%B8%A5%E7%A5%CA%A5%B5%A5%F3">かもめのジョナサン</a>はアメリカの作家<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%C9%A1%A6%A5%D0%A5%C3%A5%AF">リチャード・バック</a>によって生まれた寓話的小説である。出てくるキャラクターは乱暴に言ってしまえば、ほ…</p>

「くそくらえ」なんて言いながら叱咤激励する究極のツンデレ(違)

<p> 人生なんてくそくらえ、と言うからには、よほど厭世的な本かと思いきや、実は非常に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トの強い言葉で、ありとあらゆる事物に対して叱咤激励しているのが、この本。</p> 人生なんてくそくらえ 作者: 丸山健二 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2012/…

仕事前の居心地が悪い時間帯にあえて【居心地の悪い部屋】を読む

<p> </p> 居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1) 作者: ブライアン・エヴンソン,アンナ・カヴァン,岸本佐知子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/11/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 私は日曜日の夜という時間が大嫌いだ。 平日が幕を…

【佐藤愛子】死生観を真正面から考え、生きる【こんなふうに死にたい】

<p> 創作活動を長年続けながら、93歳になった今なお「九十歳。何がめでたい」「それでもこの世は悪くなかった」など、ベストセラーを連発する女流作家、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%B4%C6%A3%B0%A6%BB%D2">佐藤愛子</a>氏。<br /> 今回は、少し古いが、氏の死生観について述べたエッセイについて書きたいと思う。</p> こんなふう…

社会背景や人間の弱さでなく、1人の女の一生を淡々と書いた小説【ソーネチカ】

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的を射ている部分もあるが、全体的に考察が一方通行【やさしさ過剰社会 人を傷つけてはいけないのか】

<p> やさしさ、と聞いてネガティブな第一印象をもつ人はそう多くないだろう。<br /> やさしい両親、やさしい先生、やさしい恋人、やさしい上司。とかく世の中は、やさしい人が求められがちだ。<br /> だが、そのやさしさとは、必ずしも相手のことを思っているとは限らない。</p>…

新感覚ライトノベル【通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?】

<p> 私が小学生の頃、アトラスの人気ゲーム作品<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%F7%BF%C0%C5%BE%C0%B8">女神転生</a>シリーズの1つである「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%B9%A5%C8%A5%D0%A5%A4%A5%D6%A5%EB">ラストバイブル</a>3」という</p>

原田マハを全く読んでいないけれど

<p> もちろん、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%C5%C4%A5%DE%A5%CF">原田マハ</a>という作家が嫌いとか、本を読みたくないというわけではない。機会があったら是非読みたいし、お勧めされたら時間の許す限り手に取って読もうと思う(余談ですが、現在は、ここのブログでコメントして下さった方の紹介で、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%B1%BA%B0%BD%BB%D2">三浦綾子</a>さんの</p>…

レトロゲーム好きな人もそうでない人も【ファミコンコンプリートガイド】

<p> 漫画という分野ひとつ取っても「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%A4%A5%B9%A5%B3%A5%A2%A5%AC%A1%BC%A5%EB">ハイスコアガール</a>」や「無慈悲な8ビット」など、最近の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%C8%A5%ED%A5%B2%A1%BC%A5%E0">レトロゲーム</a>ブームに便乗してこんな本が出てたのか、と言いつつ、その、こんな本を手に取った私が一番ブ…</p>