「努力」と「希望」の架け橋になりうる本【バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える】

            <div id="yiv1407788232yui_3_2_0_3_148572053578140" style="color: #000000; text-transform: none; text-indent: 0px; letter-spacing: normal; font-family: 'MS PMincho', serif; font-size: 13.33px; font-style: normal; font-weight: normal; word-spacing: 0px; white-space: normal; orphans: 2; widows: 2; background-color: #ffffff; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; -webkit-text-stroke-width: 0px;"><span id="yui_3_2_0_3_1485769749136202" style="font-family: 'arial black', sans-serif; font-size: 16px;"><span id="yui_3_2_0_3_1485769749136203"> 本書は、【ビリギャル】が話題になったあとに発売され、過去には「その便乗本なのでは?」という話もあったようで、「イヤイヤ、そんなのより遥かにすごい!」という声もまた存在していたようである。</span></span></div>

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 いずれにしろ、この著者は文字通り死ぬほどの努力をして、世界トップレベルの公立大学であるカリフォルニア大学バークレー校に入学し、卒業出来たのだから、素晴らしいと思う。
 溝のある家庭環境、ぐれた中学時代、警察に補導され身柄引取りを拒否される。県内で偏差値が最低レベルの高校に入ってからも、喫煙・喧嘩は当たり前、だが、中学時代に比べると、親はあまりきつく言わなくなってきた。
 卒業後、勢いでとび職に就いてから、家族に変化が訪れ始める。生命保険会社に16年間勤める父親が、初めて業績優秀者としてハワイで表彰された。著者もそれを見て一念発起した。その後、専門学校に通いIT企業に再就職した。リーマンショックの直撃を受けた現場で「やれている同僚」を分析し、彼らが卒業しているトップランクの大学に入ることを決意した。「金のことは心配するな」そう言った両親に見送られながらアメリカへ。そしてカリフォルニア大学バークレーへと。
 
 
 確かに、誰でも著者のように努力できるわけではない。一日十数時間勉強したり仲間を見つけてコミュニケーションを取りながらやったり、その他多くの方法を実践した。そもそも、アメリカへ留学させてもらうという両親の金銭的な後押しもあって努力できたという環境面でも恵まれていたのも事実で、要するに、これを読んでもそもそも土俵が違うなどの理由で結果を出せない、という人も中にはいるだろう。
 
 しかし、それでも著者のすごい点はたくさんある。
 特に大きいのが【自己分析能力】【行動力】だ。
 
 先日紹介した為末氏の書物にも書かれてあったことだが「自分を理解し、正しい方向で努力すること」の大切さを、この著者、鈴木琢也氏は体で理解していた。「自分は○○だからこうやって努力しよう」「地頭でかなわないなら量と工夫で勝負だ」と、数々の試行錯誤を繰り返しながら非常に効率の良い方法且つものすごいスピードで成績をグングン伸ばしていった。このように、自己分析しながら己を高めていくというのは、誰にとっても非常に大切なことであり、著者はそれを最大限に伸ばすため努力した。
 実行力も素晴らしい。英検4級以下という実力で渡米し、コミカレ(コミュニティーカレッジ。現地の二年制の語学学校)に行くという時点でもすごい勇気だが、その後も著者はひたすら、行動するために勉強だけでなく環境に慣れ親しむための練習に練習を重ねた。わからないことがあれば友達になって誰かとディスカッションをする、タイムマネジメントを計画し結果が出るまで見直す、課外活動にも積極的に活動する、とにかく出来ることは何でも実行し吸収するという行動が、著者を成功へと導いた。
 とてつもない努力と工夫を積み重ねていった結果、著者は最終的にバークレーに入学・卒業し、日本に戻り、アジアNo.1のビジネススクール「GLOBIS」に就職した。
 
 この本で書きたかったことは「人はいつでも変われる」「努力することの素晴らしさ」「家族の再生」など、たくさんあると思う。
 もちろん、それは私も強く感じたが、それ以上に
 
「世界が切り開ける希望」
「計画倒れにならず行動することの大切さ」
を受け取れた。
 
 実際、本人だけでなく、著者の父親も62歳にして税理士の資格を得ようと更なる高みを目指し、人がどれだけチャレンジ精神を持ちながら、それを実行して結果を出すまで諦めず邁進していけるか、ということほど素晴らしいことはないのではないか、と思える。
 確かに、著者が人生で新たなことに再チャレンジできる環境にあったのは事実だし、見ての通り努力の天才とも言えるお人だ。しかし、この本で私に伝わってきた内容は、単なる努力の大切さや結果を出すことの素晴らしさだけではなく、「自分が成長できるということの楽しさ」「誰かや、世界を動かそうとすることのワクワク感」など、希望にも溢れている。人は希望がないと生きていけないし、この本はそれをとてもわかりやすい形で教えてくれた。
 
 文章も平易且つ口語調でありながら論理的で、読みやすい。「自分の努力が報われない」「なかなか自己分析の方法がわからない」などの悩みを抱えている方にも、本書はうってつけだ。